「一人になる」
好評につき7/2までロングラン決定!

三木の5月12日のブログでもご紹介しているドキュメンタリー映画「一人になる 医師 小笠原登とハンセン病強制隔離政策」がとても好評です。

そのため、大阪・十三のシアターセブンでは7月2日(金)までのロングランが決まりました。
ミニシアターでのロングラン、本当に嬉しく思います。
神戸新聞、毎日新聞、京都新聞、読売新聞、朝日新聞、ふぇみん、サンデークラブ、サンテレビジョン、ラジオ関西と多くの新聞、ミニコミ誌、テレビ、ラジオなどでご紹介いただきました。
できるだけ多くの方に観ていただきたい映画です。
この機会にぜひご覧ください。

詳細は「映画製作委員会のブログ」をご覧ください。

◆シアターセブン(大阪・十三)◆
 好評につき 7/2まで ロングラン決定
・6/20(日)10:20〜
・6/21(月)〜6/25(金) 12:20〜
・6/26(土) 休映
・6/27(日) 10:00〜
・6/28(月)〜7/2(金) 11:35〜

大阪市淀川区十三本町1-7-27
サンポードシティ5F
TEL 06-4862-7733

とても悲しい残念なお知らせです

6月4日(金)に映画監督の高橋一郎さんが逝去されました。67歳でした。

それは突然の出来事でした。
大阪・十三のシアターセブンで、三木の5月12日のブログでもご紹介している映画「一人になる 医師 小笠原登とハンセン病強制隔離政策」の上映とシンポジウムが催され、高橋さんも出席。
満席の会場のなかで、最後の話を語り終えたときに悲劇が起こりました。

うしろにのけ反るような姿勢のまま倒れ、救急車で病院に運ばれましたがそのまま帰らぬ人となってしまいました。
死因は心筋梗塞でした。
私も会場にいたのですが、今でも信じられない気持ちです。

生涯映画を愛し、1986年「24000年の方舟(はこぶね)」で監督デビューしてから35年間、一作ごとに暮らしから見える社会の矛盾を描いてきた稀有な監督であり「一人になる」が遺作となってしまいました。
これからというときの悲劇でした。
本当に残念でなりません。

2年がかりで作り上げた「一人になる」。
高橋さんが心血を注ぎ込んだ思いが、皆様の心に届きますようにと心から願っています。

高橋さんと映画製作委員会さんには、2008年からアトリエエムの研修用DVDをたくさん創っていただいていました。
ほぼ毎年創り続けてきて、12本になります。
「考えよう!ハラスメント」シリーズを初め、いつもとても丁寧に仕上げてくださっていて、感謝の気持ちでいっぱいです。
このコロナ禍と今のお仕事が落ち着いたら、ぜひ新たなDVDを創っていただきたいと構想を温めていました。本当に残念です。

心よりご冥福をお祈りいたします。
「映画製作委員会のブログ」はこちら>>>
                             

<高橋一郎監督の訃報をお知らせしている記事はこちら>
★神戸新聞(2021年6月8日)こちら>>>
★毎日新聞(2021年6月8日)(インターネット版)こちら>>>
★共同通信、時事通信から配信されて、全国の多くのメディアで報道されています

わいせつ教員対策新法が成立

5月28日(金)の国会で、非常に重要な法律が成立しました。

「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」、いわゆる「わいせつ教員対策新法」です。遅まきながらと言わざるを得ませんが、また十分な内容とは言えないながらも、ようやく半歩前進したと言えるでしょう。

今までどれほど多くの人達が教員から性被害を受け、そして、長年にわたり苦しめられてきたことか。

2019年度にわいせつ行為で懲戒免職となった教員は121人。ここ数年高止まりの状況が続いています。言うまでもなく、この数字は氷山の一角でしかありません。過去には再交付された免許で他の自治体に採用され、再びわいせつ行為に及んだ事例もありました。

今回の法律では、まず18歳未満に対する性交やわいせつ行為などを、同意の有無を問わず「児童生徒性暴力」と定義して、その禁止を明記しました。

そして、懲戒免職となってから免許の再交付を申請した場合には、各都道府県教育委員会が専門家などで作る「審査会」から更生の状況などの意見を聴いた上で、その適否を判断することになりました。また国や自治体に、過去にわいせつ行為をした教員の情報を共有できるデータベースの整備も求めています。附帯決議では、保育士や塾講師などにも対策を取るよう国に求めました。

しかしながら、被害相談があった時の対応や、各教委の免許再交付の適否の判断など課題はまだまだ多いのが現状です。

法律は1年以内に施行される予定ですが、それを待つまでもなく、児童生徒たちがこれ以上性暴力に遭わない教育環境をしっかりと整えていくことが急務だと思います。

「一人になる
~医師 小笠原登とハンセン病強制隔離政策~」

ドキュメンタリー映画「一人になる ~医師 小笠原登とハンセン病強制隔離政策~」が関西で上映されます。

この国では、ハンセン病をわずらった人たちが、人間としての尊厳を奪われ、家族たちも差別と偏見にさらされる、いのちを削らなければならない、という状況が続いてきました。

この間、「人間回復」への闘いがこつこつと積み重ねられてきました。
「ハンセン病は不治の病ではないし、遺伝でも、強烈な伝染病でもない、隔離は必要ない」と言い続けてきた一人の医師がいました。

小笠原登は、一人の医師として、一人ひとりの患者に接し、患者を「隔離」から守ろうとしたのです。
それは国という「厚く高い壁」の前には、小さな「抵抗」でしかなかったかもしれませんが、隔離の中で生きる人々に仄かな灯りをともしつづけたのです。

そのような時代社会にあって、「一人になる」ことを恐れず、医師として信じる道を進んだ背景や、人との出会いを描いたのがこの作品です。

今年はハンセン病国賠訴訟の勝利から20年目になります。

この「ハンセン病問題」は言うまでもなく大きな人権侵害であり、アトリエエムもこの映画の製作に協力しています。
この機会にぜひご覧ください。

<上映スケジュール>
京都シネマ
6月4日(金)〜10日(木)
・11:50~上映
京都市下京区烏丸通り四条下ル水銀屋町620
COCON烏丸3F
TEL 075-353-4723

シアターセブン(大阪・十三)
6月4日(金)13時〜 「一人になる」上映と
シンポジウム「ハンセン病強制隔離政策が奪った人権とは」

●映画の上映は
6月5日(土)〜6月18日(金)11:00から上映
*初日 高橋監督の舞台挨拶有り

大阪市淀川区十三本町1-7-27
サンポードシティ5F
TEL 06-4862-7733

元町映画館(神戸)
6月12日(土)〜25日(金)
・6/12(土)〜6/18(金) 10:00〜
*初日高橋監督の舞台挨拶有り
・6/19(土)〜25日(金)10:30〜

神戸市中央区元町通4-1-12
TEL 078-366-2636

*上映時間、料金などの詳細は各劇場にお問合せください。

<「一人になる」のチラシはこちら

*予告編(95秒 youtube)>>>こちら

<メディアでの紹介記事はこちら>

★「ふぇみん」2021年5月25日号>>>
★神戸新聞(2021年5月28日)>>>
★毎日新聞(2021年5月27日)(インターネット版)>>>
★毎日新聞(2121年5月29日 夕刊)>>>
 

「どっこいショ」
鵜久森典妙 写真展 5月13日(金)まで

映画プロデューサー・鵜久森典妙(うくもり のりたえ)さんの写真展「どっこいショ」が、今年もスタートしました。
神戸・平野の「いちばぎゃらりぃ侑香」で毎年GWの頃に開催して、今年で早17回目。
阪神間などの身近な風景から、独自の視点で切り取った素晴らしい写真が毎年並びます。

今年のテーマは「椅子」。
最近はハイテクチェアなども注目されていますが、ず~~と前から色々な形、素材で椅子というのものが、私たちのごく身近な所にあるのだと新しい発見でした。
「大丈夫だよ」と座る人を優しく包み込んでいるようで。。。

兵庫県、大阪府には残念ながら緊急事態宣言が発出されています。
「ぜひご覧ください!」と声高には叫べませんが、ちょっと一息つきに訪れてみてはいかがでしょうか。
ソファに座って眺めてみてください、「どっこいショ」と小さな声でつぶやきながら。

5月8日には「活動弁士 井上陽一さんを偲ぶ会」もあります。
こちらもぜひどうぞ。

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鵜久森典妙写真展 vol.17
「どっこいショ」

日時 2021年5月1日(土)~5月13日(木)
11:00~18:00
会場 いちばぎゃらりぃ侑香
兵庫県神戸市兵庫区神田町38-22
アクセス
三ノ宮駅より神戸市バス7系統乗車
JR神戸駅より7、9、110系統乗車
平野バス停下車(東へ100mのところ)

<写真展のチラシはこちら>
<写真展を紹介しているメディアはこちら>

神戸新聞
読売新聞
毎日新聞
<井上陽一さんを偲ぶ会のチラシはこちら>

深刻な「コロナハラスメント」
~雑談は心のオアシス~

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大しています。
そのような中、企業、教育機関、医療機関などさまざまな所で「コロナハラスメント」ともいえる人権侵害が数多く起きています。
たとえば
◆少しの咳やくしゃみに過剰に反応して、謝罪や席替えを要求されたり仲間外れにされる 
◆感染者の多い地域から通勤していると誹謗や中傷を受ける 
◆家族に医療従事者などがいると欠勤や休学を強要される 
◆感染から回復した従業員や、家族に感染者のいる従業員が解雇される
◆体調不良を訴えても休ませてもらえない 
◆感染症対策をしてもらえない、などです
病院の医師や看護師の離職も増加していますが、退職理由にはコロナハラスメントが大きく関係しています。

また解雇や雇い止め、メンタルヘルス不調を抱える人や自殺者も増加しており、看過できない状況になっています。

「コロナハラスメント」の被害者にも加害者にもならないためには、組織はどのような対策が必要でしょうか。

まずは、感染症の正しい知識の周知、そして基本的な感染対策の徹底です。
三密を避けたりソーシャルディスタンスを保つために、職場での動線、勤務時間、作業人数の工夫ということも考えましょう。
さらにテレワーク、オフピーク通勤(時差通勤)なども効果的です。
ただし、テレワークができない職種もたくさんあるので、業務内容に対する理解も必要です。
休憩室や更衣室にも換気などの細やかな対策が不可欠です。

さらに、みんながハラスメントの正しい知識(仲間はずれはパワハラの人間関係からの切り離し、誹謗・中傷は精神的な攻撃に該当)を持ち、相談窓口を日頃から知っておきましょう。

とても重要なのが「働き方の見直し」です。
① 体調不良を感じたら早く安心して休める体制(家族の体調不良にも対応) 
② 人員配置の見直し 
③ 仕事量などの見直し
をこの機会に行いましょう。これらはアフターコロナの働き方にもつながっていきます。

そして何より大切なこと-それはコミュニケーション、情報交換の方法の見直しではないでしょうか。
報告や相談が気軽にできる体制がとても重要です。
「雑談は心のオアシス」ともいわれています。
会話をしにくい状況ではありますが、マスク越しでの短い時間でも、オンライン上の会話でもいいですから「『雑談』を楽しむ心のゆとり」があるといいですね。

そして誰も「ハラスメントの被害者にも加害者にもならない組織・社会」をみんなで築いていきたいものです。

同性婚の否定は「違憲」
国は速やかに法整備を

「同性婚を認めない現行制度は違憲」との判決が、2021年3月17日に札幌地裁(武部知子裁判長)で言い渡されました。これは、2019年2月に全国の5か所の地裁(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡)で、28人が同様の訴えを起こしている裁判の1つで、最初の判決でした。

原告は男性カップル2組と女性カップル1組。「同性と結婚できず、婚姻の自由を不当に侵害している」とし、様々な法的・経済的不利益を受けており、法の下の平等を定めた憲法14条に反すると主張。その上、同性婚を可能とする立法措置を怠った国の対応は違法だとしていました。

今回の判決で、国に対する約600万円の損害賠償請求は棄却されましたが、「違憲」との判決はとても画期的だと思います。

同性婚に否定的な国に対して、地方自治体では独自に証明書を発行する「パートナーシップ制度」の導入が進んでいます。兵庫県明石市では、一緒に暮らす子どもたちも家族として証明する「パートナーシップ・ファミリーシップ制度」を今年1月から始めて、今までに13組に交付しています。

一方、同じ3月17日に最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)では、「同性カップルも異性の事実婚と同じように民法上の保護に値する」とする司法判断が確定しました。「婚姻に準ずる関係」と認めたわけです。

であるならば、いわばこのような「義務」が生じるのであれば、当然「権利」も認められてしかるべきではないでしょうか。

今回の札幌地裁の判決を受けて、野党からは画期的と歓迎する声が上がる一方、自民党は「社会の混乱につながる」と否定的。しかし、世論をみても「同性婚を認めるべき」という声が「認めるべきではない」という声を大きく上回っています。国は早急に法整備を整えることが必要でしょう。

国際女性デー
ジェンダー平等社会は、はるか遠く

3月8日は「国際女性デー」です。
1908年、ニューヨークで参政権を求めた女性労働者たちのデモが起源となって、国連によって1975年に3月8日を「国際女性デー(International Women’s Day)」として制定されました。
今年のテーマは「リーダーシップを発揮する女性たち:コロナ禍の世界で平等な未来を実現する」です。

私が「ジェンダー」という言葉と出会ったのは1997年の春。
大阪府吹田市にある「吹田市立女性センター(現 男女共同参画センター)」に非常勤嘱託職員として、勤務を始めた時でした。
それまで自分が女性としての生きづらさを多々感じていたことが「ジェンダー」という言葉、さらに「The personal is political(個人的なことは政治的なこと)」という言葉で解き明かされたのでした。

このブログでもたびたびジェンダー、女性差別、男女共同参画などについて書いてきましたが、現状は一向に良くはなりません。
コロナ禍で、DVや雇い止めが増えより一層深刻な状況になっています。
しかしながら、若い人たちを初めみんなが声を挙げて、少しずつ制度や法律が変わってきたのはとても嬉しいし、大切なことだと思います。

また「ジェンダー」という言葉が今は注釈なしでも皆さんに伝わることがこの4半世紀の間での大きな変化だとは言えるかもしれません。

2021年の日本の現状を各国と比べると次のような状況です。
この状況はまさしく、日本の女性たちの人権がおびやかされていて、生きづらさを感じている、ということに他なりません。
国は女性たちの声にもっと真摯に耳を傾け、早急に対応をしなければならないと思います。
ジェンダー平等はまだまだ遠い!

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◆「ジェンダー・ギャップ指数2020(Global Gender Gap Report 2020)」世界経済フォーラム(World Economic Forum)/2019年12月
・総合 121位/153か国
(政治 115位、経済 144位、教育 91位、健康 40位)

◆「経済的な権利を巡る男女格差の調査」(世界銀行)/2021年2月
・総合 80位/190か国

◆「女性の働きやすさ」(イギリス「エコノミスト」)/2021年3月
・28位/29か国
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とても悲しいお知らせです

活動弁士の井上陽一さんが2021年2月9日に逝去されました。
82歳でした。

井上陽一さんは、活動弁士として40年以上にわたり600回を超える公演を続けてこられました。
晩年は、週3日透析治療を受けながら「声がでる限り、聞いてくれるお客さんがいる限り語り続けたい」と言って舞台に上がっておられました。

私もファンの1人として、井上さんと同い年の母とよく舞台を観にいきました。
舞台の後には、母も大河内傅次郎や片岡千恵蔵の事を懐かしそうに話してくれていました。
もう井上さんの舞台を観れないと思うととても残念です。
長年にわたって公演を続けてこられた井上さんに心から敬意を表したいと思います。

今頃は、往年の俳優さんたちと大好きなお酒を酌み交わしながら、映画談議に花を咲かせていることでしょう。

心よりご冥福をお祈りいたします。

井上陽一さんの訃報記事を掲載している神戸新聞(2021/2/18)はこちら>>>
その他、佐賀新聞、秋田魁、信濃毎日、山陽新聞、北國新聞など多数の新聞に掲載されています。

森喜朗会長は辞任を
差別を見過ごしていていいのでしょうか

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下組織委員会)の森喜朗会長から驚くべき女性蔑視の発言が飛び出しました。
翌日の「謝罪会見」でも全く「謝罪」とはなっておらず、辞任も否定しています。

そもそも何が悪かったのか、という根本的な事がわかっておられないのではないかと感じました。
「女は黙って、男が決めたことに従っていればいい」という意識が根底にあるのではないかとさえ思います。

さらに驚くのが組織委員会からも辞任を求める声があがらず、「この件に関してはIOCが決着したと公表したので、政府としてはこれ以上問題とはしない」という菅首相の国会での答弁です。

問われているのは、日本の「差別意識」なのです。
それをこのままうやむやにしてしまっていいはずがありません。
あらゆる差別を禁じているオリンピック憲章にも抵触する言動です。

辞任を求めるべきだと思います。
組織委員会からも辞任の声をあげていかねばならないと思います。