「そこは療養所ではなく、収容所のようだった」
映画の冒頭で語る宇佐美治さんの言葉に、私は大きなショックを受けました。
宇佐美さんは、国立のハンセン病療養所である長島愛生園の入所者です。
実は、この映画の製作中に高橋一郎監督から、ハンセン病問題を「ハラスメント」ととらえることができるのではないだろうか、という質問を受けていました。
3年の歳月をかけてこのほど完成との連絡を受けて、先日開催された試写会に行きました。
映画は、三つの法律のもとで国が何を行ってきたのかを、多くの人たちの証言を基に検証しています。
国によるハンセン病患者に対する「絶対隔離、絶滅政策」のもとで、断種、堕胎、過酷な労働、懲戒検束など想像を絶することが、療養所内で平然と行われていたことに、大きな衝撃を受けました。
これこそ、国策のもとに行われてきた「国によるハラスメント」ともいえるでしょう。
特に女性たちの証言には、ショックと共に強い怒りを感じました。
療養所に入所するときには、他の大勢の男性入所者の目の前で、素っ裸で消毒をされるのです。
そして、療養所内で結婚をすれば、しきりも何もない12畳の部屋で、夫婦4組が共に暮らす異様な生活。
妊娠をしたら、強制堕胎、子どもが産まれたら、嬰児殺し。
そこでは、女性たちの意思も人権も全てが奪いとられているのです。
まさに女性に対する暴力です。
映画の中で語られる事は、ほとんどが知らないことばかりでした。
決して過去の物語りでもなく、知らなかった、で済まされる問題ではないと思いました。
ハンセン病に対する「偏見と差別」をもたらしたのは一体誰だったのでしょうか。
国なのか、国の情報を鵜呑みにした人たちだったのか、真実を知ろうとしなかった私たちなのか、をしっかりと考えなければならないと思いました。
映画の中で語られる「もういいかい」の言葉が、胸に鋭く突き刺さりました。
この映画をぜひご覧ください。
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「もういいかい」の公式チラシ
表面はこちら「mouiikai-chirasshi-omote.pdf」をダウンロード
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<完成披露特別上映会>
【兵庫県立美術館 ミュージアムホール】
3月24日(土) ①10:30 ②14:00
3月25日(日) ①14:00
連絡先 078-331-6100:「もういいかい」映画製作委員会(兵庫県映画センター内)
チラシはこちら「120324-mouiikai-joueikai.pdf」をダウンロード
【(兵庫県)尼崎市女性センター・トレピエ】
4月21日(土) ①10:30 ②14:00
連絡先 078-331-6100:「もういいかい」映画製作委員会(兵庫県映画センター内)
チラシはこちら「120421-mouiikai-joueikai.pdf」をダウンロード
【(兵庫県)尼崎労働福祉会館 中ホール】
4月22日(日) ①10:30 ②14:00
連絡先 078-331-6100:「もういいかい」映画製作委員会(兵庫県映画センター内)
チラシはこちら「120422-mouiikai-joueikai.pdf」をダウンロード
【大阪市立阿倍野区民センター 大ホール】
5月20日(日) ①14:00(一回上映)
連絡先 06-6719-2233:大阪映画センター
チラシはこちら「120520-mouiikai-joueikai.pdf」をダウンロード
参加費:いずれも1,000円(中学生以上)
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大阪市に事務所を移転します
厚生労働省から、パワー・ハラスメントに関する報告書が1月30日に発表されました。
ハラスメント防止の取り組みは、今後はすべての組織において、ますます重要になってきます。
みなさまのあらゆるご要望にさらに迅速に、的確にお応えできるように、アトリエエムの事務所を大阪市西区に移転いたします。
また、三木啓子のE-mailアドレスも変更いたします。
三木へのご連絡は、まずは下記のinfoのアドレスにお送りくださいますようお願いいたします。
お手数をおかけしますが、名簿等のご変更もよろしくお願いいたします。
ハラスメントセミナー(研修)やガイドラインの作成、相談窓口の委託等、何でもお気軽にお問い合わせください。
今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます。
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2012年3月14日(水)から新事務所での業務を開始します。
*3月13日(火)は臨時休業とさせていただきます。
【新事務所】
〒550-0002 大阪市西区江戸堀1-4-27-401
TEL 06-4256-8836 FAX 06-4256-8837
E-mail: info@atelierm.co.jp ※@を半角@にしてください
http://atoriem.jp/
*E-mail、HPは変更ございません。
*アクセス : 地下鉄四つ橋線「肥後橋」駅すぐ
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セミナー(研修)等のお問い合わせはこちら>>>
厚労省が職場のパワハラを定義 6類型
厚生労働省のワーキンググループは、1月30日に報告書を取りまとめ、パワハラの定義などについて次の6つの類型を示しました。
(1)身体的な攻撃 (2)精神的な攻撃 (3)人間関係からの切り離し (4)過大な要求 (5)過小な要求 (6)個の侵害
報告書の内容については、まだ不十分な点も多いとはいえ、国が一定の定義を示したこと、さらには労使や行政に対して、防止の取り組みをすすめるようにと言及したことは、若干の前進であるといえるでしょう。
今回の報告書で強調されているのが、「同僚間」や「部下から上司」のパワハラです。そのような事例ももちろんあるのですが、現場で実際に多く起きているのは、やはり上司から部下へのパワハラであり、そしてさらに深刻なのが、正社員から非正社員へのパワハラなのです。
今後企業や自治体には、実態調査の実施、ガイドラインの策定、研修、などより具体的な取り組みを早急に進めることが求められます。
アトリエエムでは、パワハラ防止に関するアドバイスやサポートも行っています。
詳細はお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら>>>
厚生労働省の報告書はこちら>>>
知っておきたい!相談対応と防止対策
今回も東京や岐阜、福岡など遠方の方からもたくさんお申込みをいただいた「三木啓子のハラスメント相談員セミナー vol.5」。
参加者の方たちはとても熱心に取り組んでおられて、定員を上回ったセミナーは大変熱気あふれるものとなりました。
三木啓子のセミナーへの参加は、3回目、4回目という方もおられて、アトリエエムのセミナーに対する評価の高さを嬉しく思います。
「とても中身の濃いセミナーでした。ロールプレイを通じて、相談員としての対応の難しさを改めて実感しました。」
「講義とロールプレイの配分がよく、充実したセミナーでした。同時に、予防が一番大事という事も再認識しました」
「自分の会社の課題が明確になりました。特にガイドライン作成は、早急に着手したいと思います。」
などの感想を寄せていただきました。
また今回は、「再発防止」の観点から、「行為者への研修・指導」についてお伝えしたことも、とても参考になったようでした。
このセミナーを収録したDVD「三木啓子のハラスメント相談員セミナー vol.5」は近日中に製作する予定です。今回参加できなかった方は、DVDをぜひご活用いただければと思います。
今までに製作したDVD「三木啓子のハラスメント相談員セミナー」シリーズも大変ご好評で、色々な職場で研修に活用されています。
今後も引き続き、相談員のスキルアップが図れるようなより充実したセミナーを実施していきたいと思います。
DVDとポケット冊子の詳細はこちら>>>
団体研修(講師派遣)のお問い合わせはこちら>>>
「ハラスメント相談員セミナー vol.5」 残席わずかです!
1月27日(金)の「三木啓子のハラスメント相談員セミナーvol.5」の開催まであと数日となりました。
今回のセミナーでは、相談の受け方に加えて、EUの先進的な取り組みや、日本の厚生労働省の動きなどもお伝えします。
昨年末、12月26日にはようやく「精神障害の労災認定の基準」が策定、各都道府県労働局長宛に通達が出されました。
「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議・ワーキンググループ」からも報告書案が出されています。
又、メンタルヘルスの対策強化を含んだ「労働安全衛生法の一部改正」は国会で継続審議となっています。
これらの解説も盛り込みながら、職場でハラスメント防止をどのように進めていけばよいのかということを具体的にお伝えします。
すでに多くの方からお申込みをいただいており、残席わずかとなりました。
お申込みはお早目にどうぞ。
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<三木啓子のハラスメント相談員セミナーvol.5>
●日時:2012年 1月27日(金) 12:30~16:30
●会場:大阪産業創造館 5階 研修室AB 大阪市中央区本町1-4-5
●講師:三木 啓子 (アトリエエム株式会社代表取締役 産業カウンセラー)
●参加対象:ハラスメント相談窓口担当者、人事・総務担当者、CSR担当者等
●参加費:9,000円(税込)
●定員:30人(先着順)
●主催:アトリエエム株式会社
「三木啓子のハラスメント相談員セミナーvol.5」お申込み、詳細はこちら>>>
6,434人
1月17日を迎えました。阪神・淡路大震災から17年。
毎年、1月17日の早朝にはブログを更新していました。
でもなぜか、今朝はパソコンに向かっても文章が書けなかったのです。
新聞やテレビでは、ここ数日間は例年通り震災の特集が組まれていました。
今年は特に3月11日の東日本大震災とのつながりを強調する記事が多く見られました。
でも、それだけで終わってしまっていいのだろうか、という思いがこみあげてくるのです。
東北地方の復興は、ボランティアやNPOに依存している部分がとても大きくて、国の施策はあまりにもお粗末と言えるのではないでしょうか。
私たちは、17年前に奪われた6,434人の命を決して忘れてはならないと思います。
同時に、その教訓をしっかりと生かしていかなければならないとも思うのです。
謹賀新年
明けましておめでとうございます。
旧年中は色々とお世話になりまして、本当にありがとうございました。
「ハラスメントのない豊かな職場環境づくりのサポート」をテーマに、今年もニーズに応じた多様なプログラムをご提供していきます。
本年も何卒よろしくお願い申しあげます。
昨年は、仕事の合間をぬって演劇やダンス、落語、美術展、ジョギングなども楽しみました。
様々な文化に触れることによって、心も体もリフレッシュでき、より一層仕事に集中して取り組むことができるように思います。
映画はドキュメンタリーも含めて、新旧併せて30本ほど観ました。
その中でも特に印象に残ったのが、次の5本です。
◇「木漏れ日の家で」/監督:ドロタ・ケンジェルザヴスカ(ポーランド)
◇「ウィンターズ・ボーン」/監督:デブラ・グラニック(アメリカ)
◇「わたしを離さないで」/監督:マーク・ロマネク(イギリス)
◇「ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路」/監督:ルネ・フェレ(フランス)
◇「無言歌」/監督:ワン・ビン(香港・フランス・ベルギー合作)
無題
パワハラの予防には研修とガイドラインの制定が重要
厚生労働省から「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議 ワーキング・グループ」の報告書(案)が発表されました。
職場でのいじめやパワー・ハラスメントの実態を認識して、予防・解決のためには、行政機関と各職場での取り組みが必要である、と遅まきながら国もようやく動きだしというところです。
予防のためには「ガイドラインの作成、実態の把握、研修」などが必要である、と提案しています。
これらについては、私は以前からより具体的に提唱してきました。そして、さらに重要な事は「セカンドハラスメント(二次被害)の防止」も盛り込んでいくことだと。
日本ではやっと動き出したパワー・ハラスメントへの対応ですが、海外では法律でしっかりと規制している国も数多くあります。
先日開催された講演会で、海外-とりわけEU諸国の最新の状況を滋賀大学の大和田敢太教授からお聴きしました。
ベルギーでは、単独法として、暴力、セクシュアルハラスメント、モラルハラスメントを規制しています。顧客など職場の外部からの暴力に対しても会社は対応をしなければならないとも定められています。
まさに日本とは雲泥の差です。
1月27日(金)の「三木啓子のハラスメント相談員セミナーvol.5」では、海外や日本の動きも視野に入れながら、職場でパワー・ハラスメント防止をどのように進めていけばよいのかということも具体的にお伝えします。
定員まであとわずか。お申込みはお早目にどうぞ。
「三木啓子のハラスメント相談員セミナーvol.5」はこちら>>>
「合意」は教員と学生間では成立しない
「納得いかない。合意だった」と容疑を否認している内柴正人容疑者。
九州看護福祉大学の柔道部の遠征で、女性部員に対する準強姦の疑いで逮捕された内柴容疑者のこの言葉に、強い憤りを感じます。
そもそも、教員と学生、コーチと選手の間で「対等な関係」はありえないのです。圧倒的な力の差があるのですから。「対等な関係」でなければ「合意」も成立しません。それは相手が成人、未成年に関わらず、また、飲酒をしている、いないにも関わらず、です。
また大学は、この事件以前に色々な噂や兆候があったにも関わらず、適切な対応がとれていなかった、という事も大きな問題です。
今大学が総力をあげて取り組まなければならないのは、被害者の保護です。被害を受けた女子学生の苦しみを考えると胸が痛みます。
ハラスメントをきちんと認識している専門家が、被害者を常時サポートできるように体制を整えることが大切です。
今後、裁判や証言などでセカンドハラスメント(二次被害)を受けないか、ということも心配です。メディアも含めた大学内外の噂や中傷からも、被害者を絶対に守らなければなりません。
大学は、今回の事件がたまたま起こったのではなく、大学にそのような体質が以前からあったのだという事を真摯に受け止めなければならないと思います。
そして、再発防止に努めなければならないのは言うまでもありません。