パワー・ハラスメントが6社に1社で起こっている!

「パワー・ハラスメントが6社に1社の割合で起こっている!」と何とも衝撃的な実態が

東京都

で報告されました。(下欄の東京新聞の抜粋記事をご参照ください)これは、東京都労働相談情報センターが企業を対象に調査した結果です。

この調査は「使用者の職場環境配慮義務に関する実態調査」で、メンタルヘルスケアやセクシュアル・ハラスメント防止への取組状況、労働時間の実態等に加えて、「パワー・ハラスメントの実態と防止の取組状況」を調べたものです。この調査では「パワー・ハラスメント」という言葉は「職場において、職務上の地位や影響力を背景に嫌がらせをすること」と仮に定義して尋ねています。その結果、16%の企業で実際にパワー・ハラスメントが起こっていました。と同時にその予防に関しては、ほとんどの企業で何ら対策が講じられてはいない、という実態が浮き彫りになりました。

また、パワー・ハラスメントが起こる理由としては「個人的な資質」(68.9%)が最も多く、「職場の人間関係」(44.1%)、「同僚・上司の個人的な問題」(29.2%)、「職場の執務環境」(15.1%)となっており、「個人的な問題」だと考えている企業が多いのが非常に気にかかります。

パワー・ハラスメントは決して、個人だけの努力で予防・解決できるものではなく、職場全体の問題だと認識して対応することから、解決の一歩が始まります。

また「日経ウーマン」5月号(4月7日発売)の特集は、「男性上司の攻略法からプレゼン術、しぐさまで 話す!技術」と題して職場でのコミュニケーション術がシーン別に細かく紹介されています。その中で特徴的だったのが、「無抵抗の人はパワハラ被害に要注意!」というもの。転職や異動など、選択肢が少ない小規模企業や地方では、パワハラ問題は深刻だと、注意を促しています。

少しずつですが、メディアでもとりあげられつつある「パワー・ハラスメント」。今後深刻な事態になる前にセミナー等を通して、しっかり予防することが大切だといえるでしょう。

 「上司の嫌がらせ深刻」(東京新聞2006年3月20日より一部抜粋)

上司が職務上の地位や影響力を背景に職場で嫌がらせをする「パワーハラスメント(パワハラ)」があった企業がほぼ6社に1社に達することが、東京都労働相談情報センター(東京・飯田橋)の調査で分かった。半面、パワハラ防止の企業の取り組みはあまり進んでいない実態も判明。都は「成果主義が浸透して上司が部下への締め付けを強めていることなどが背景にある」とみて、セミナーなどを通じて企業側に対策の充実を呼びかける方針だ。調査は二月、都内にある従業員30人以上の企業3,000社を対象に実施。954社から回答を得た。(中略)この調査では、「過去3年間に心の病気で休んでいる社員がいる」企業は16.2%で、発症の原因は「対人関係」や「仕事の質・量」が目立った。都はかなりのケースでパワハラが引き金になった可能性があると指摘。調査担当者は「パワハラは法律で対策が義務付けられておらず、実態は潜在化し、深刻になっている」と話している。(後略)

青い鳥を求めて

『劇団青い鳥』『もろびとこぞりてver2.3』を見に行きました。会場となった伊丹市の「アイ・ホール」は初めてでしたが、こじんまりとして、今回の劇にはぴったりの雰囲気でした。おまけに三木は、一番前の席で見ることができ、芹川さんたちの一挙手一投足を心行くまで楽しむことができ、とってもラッキー!でした。

***************

ガーデン・カフェのテーブルで繰り広げられる3人の女性たちの会話。彼女たちはずっと待っている。彼を。その彼こそが彼女たちに「主役」というチャンスを与えてくれる演出家であり、そしてまさしく白馬の王子様なのかもしれない。

さなえ(天光眞弓)「どうしても、今回は主役がやりたいの。私もういい歳だし」

さぎり(葛西佐紀)「それは私だって同じだっていったでしょ。私だってこの歳になるのに、いまだにハーフタイムで、どんなに苦労して女優やってると思ってんのよ」

さなえ(天光眞弓)「お互いさまよ」

まつみ(芹川藍)「実は、私も待っているんです、彼を」

そして場面は変わり、3人の女性たちは、自分たちの力で公演を続けながら、各地を旅していく・・・。

誰かが自分に幸せを運んできてくれる。誰かが自分にチャンスを与えてくれる。誰かが自分の夢をかなえてくれる。誰かが背中を押してくれる。誰かが。誰かが。でも、そんな「誰か」はどこにもいやしない。チャンスは自分でつかむもの。夢を追い求めて、自ら動いている時こそが、夢をかなえている瞬間なのかもしれない。

****************

青い鳥を求めていたチルチル、ミチルのように、彼を待っているまつみたちはそんなことを私たちに伝えているような気がしました。まさに『劇団青い鳥』の原点のような演劇でした。

アトリエエムの2期目がスタートしました

アトリエエムの第2期目がスタートしました。
2005年10月にアトリエエムを設立してから早6ヶ月。この間、たくさんの方たちの温かいご支援を受けながら「パワー・ハラスメント予防セミナー」をはじめ様々な事業を実施することができました。本当にありがとうございました。

1期目を終え、この2期目からはさらに本格的に事業を展開していきます。
一つ目は「ITセミナー」。いよいよ5月13日から土曜日の午後に大阪産業創造館(地下鉄堺筋本町)で「ITセミナー」が始まります。今問題になっている「ウィニー」をはじめ、セキュリティ対策など、パソコンを利用する時にぜひとも知っておきたい「パソコンのツボ」をわかりやすくお伝えします。詳細はホームページのこちらをご覧ください。

そして、もう一つの事業の柱である「パワー・ハラスメント予防セミナー」。職員研修としていくつかの企業や自治体で実施させていただきましたが、ご好評をいただいています。
今期はさらにセミナー内容をバージョンアップさせると同時に、「ビデオ(DVD)」の制作に取り組みます。できるだけ早く完成させて、セミナーの中で見ていただいたり、職員研修としてご利用いただけたらと思っています。

完成しましたらすぐにお知らせしますので、もうしばらくお待ちください。

劇団青い鳥の『もろびとこぞりてver2.3』の上演間近

私の大好きな『劇団青い鳥』が『もろびとこぞりて ver2.3』を大阪でもうすぐ上演します。4月1日(土)、2日(日)、3日(月)の3日間、伊丹の『アイ・ホール(伊丹市立演劇ホール)』です。今からとっても楽しみ! 1973年に創立した『青い鳥』は設立32年を迎えました。その数字の重みとそして、芹川藍さんや天光眞弓さんをはじめ、皆さんの情熱にただただ感服するばかりです。
1959年生まれの私にとっては、もう物心がついた時から、女性ばかりの劇団『青い鳥』は全国ですでに注目を集めていました。舞台のフィナーレで「一同礼!」と客席に向かって挨拶をするところから「市堂令」というペンネームで、メンバー全員で脚本を書き、全員で演出・出演をし、皆で一つの劇を作り上げていくという「青い鳥方式」は演劇界でも異色の手法だったのでしょう。
2月18日(土)には大阪市西区の「THEATER CAFE Nayn(シアター カフェ ニャン)」で『劇団青い鳥ファンのつどい』が開催されました。このカフェはオープンしたばかりでしたが、とっても素敵な、おしゃれな空間でした。吹き抜けの客席に大きなスクリーンがかけられ、映画の上映会やライブコンサート、作品の展示会など様々なアートの場をかもし出してくれるカフェです。もちろん、イタリアン中心のお料理もGOOD!でした。毎日新聞社の畑律江さんをゲストに迎え、参加した昔からのなが~い青い鳥ファンは、皆それぞれに青い鳥の劇を熱く熱く語ってくれました。
大阪公演まであと2週間、本当に待ち遠しいですね。

アトリエエムのパワー・ハラスメントセミナーが読売新聞で紹介

アトリエエムでは、独自のプログラムを作成して「パワー・ハラスメントセミナー」を実施しているということが、3月10日(金)の読売新聞で紹介されました。セミナーの中では、自分自身の言動を振り返ってパワー・ハラスメントを考えるということで「自己診断チェックシート」を記入していただいていますが、その一部も掲載されています。
2月末に開催された「とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ」でのパワー・ハラスメントセミナーやマリー・フランス・イルゴイエンヌさんの「モラル・ハラスメント」に関するセミナーも紹介されています。読売新聞社のご了解を得てpdf形式で紹介しています。ぜひご覧ください→読売新聞の記事を読む

「モラル・ハラスメント」国際シンポジウムに参加して

「モラル・ハラスメント」(通称モラハラ)という言葉をご存知でしょうか。直訳すれば「精神的嫌がらせ」ということになります。家庭や学校、職場、その他色々な場所で起きる精神的虐待・精神的暴力のことです。

アトリエエムでは「パワー・ハラスメント」という言葉を使っていますが、モラル・ハラスメントもパワー・ハラスメントも、権力を背景にしたハラスメントということでは、同じような意味を持っています。

2月25日(土)の夜に

大阪市北区

で開催された、「マリー=フランス・イルゴイエンヌ氏来日国際シンポジウム」に出席しました。(主催は大阪過労死問題連絡会、共催はワーキング・ウィメンズ・ネットワークアカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク)イルゴイエンヌさんはフランスの精神科医・家族心理療法家で、「モラル・ハラスメント」研究の第一人者でもあり、著書『モラル・ハラスメント 人を傷つけずにはいられない』『モラル・ハラスメントが人も会社もダメにする』はベスト・セラーになりました。

フランスでは、モラル・ハラスメントに対する法律が2002年に施行されています。その他の国でも法律ができている国が多くありますが、日本では、言葉すら社会にまだ広く認識されてはおらず、もちろん法律での規制もありません。

しかし、モラル・ハラスメント、パワー・ハラスメントは日常でも、非常に頻繁に起きており、訴訟に至るケースもあります。シンポジウムでも、勤務をしていた会社と上司に対して、モラル・ハラスメントを受けた人たちが集団訴訟を起こしているという原告からの報告もありました。

モラル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、スピッティングなど言葉は少しずつ違いますが、全て権力を背景にした嫌がらせ、精神的暴力だといえるものです。

皆が正しい知識を持ち、ハラスメントに対して当事者もそして周囲の人もはっきりと「NO!」と言える社会を築いていくことが大切だと改めて強く感じました。

「倚(よ)りかからず」茨木のり子さんの訃報を聞いて

20日(月)の朝、新聞を開いた私に訃報の記事が飛び込んできました。詩人茨木のり子さんが亡くなられたと。鋭い批評精神で、時代を歌いあげた茨木さん「わたしが一番きれいだったとき」「自分の感受性くらい」など有名な詩が数多くありますが、私が一番好きだった詩はなんといっても「倚(よ)りかからず」

日常の中で、ともすれば、他人に迎合してしまいそうになるとき、「寄らば大樹の陰」が無難な生き方だと妙に納得してしまいそうになるとき。でも、やっぱりそんな生き方は違うよなあ、したくないよなあ、と思いながら彼女の「倚(よ)りかからず」を読みかえします。

そこで、本当の自分の気持ち、思いをゆっくりと整理しなおし、そして納得がいったなら、長いものに巻かれるのではなく、自分自身の考えでしっかりと進んでいけばいいのだ、と何度も励まされ、そして示唆を受けた詩(うた)でもあるのです。

「倚(よ)りかからず」

もはや/できあいの思想には倚りかかりたくない/もはや/できあいの宗教には倚りかかりたくない/もはや/できあいの学問には倚りかかりたくない/もはや/いかなる権威にも倚りかかりたくない/ながく生きて/心底学んだのはそれぐらい/じぶんの耳目/じぶんの二本足のみで立っていて/なに不都合のことがある/倚りかかるとすれば/それは/椅子の背もたれだけ

「パワー・ハラスメントセミナー」好評です!

今年に入ってから、

10回ほど「職場におけるパワー・ハラスメントの防止セミナー」を実施してきました。参加者は、係長級や課長級の管理職の方たち。やはりというか、依然ほとんどが男性です。(ちなみに女性の管理職(本庁課長相当職以上)は、都道府県では6.6%、政令指定都市では4.8%-内閣府発表の「05年度 女性の政策・方針決定参画状況」による-。何と低い数字!もっともっと女性が増えてほしいですね)

セミナーでは、「パワー・ハラスメント」はまだ馴染みの少ない言葉ですが、自分たちの職場では決して起こさない、という管理職の方たちの意気込みが伝わってくるようで、熱心に聞き入ってくださいます。

前半は主にパワー・ハラスメントが起こる背景や現状、また起こったときの対応のポイント等をお話します。後半は、パワー・ハラスメントを起こさないための、職場での円滑なコミュニケーションについてお伝えしています。一言でコミュニケーションといっても、簡単そうで、なかなか難しいもの。加えて上司と部下に年代差があると、より一層難しくなるようです。

ロールプレイやチェックシートの記入なども随所に盛り込んでいますので、参加者の胸により強く響くようです。

皆さんの職場でも「パワー・ハラスメントセミナー」の研修をぜひ企画されてはいかがでしょうか。

映画『スタンドアップ』を観てきました

映画『スタンドアップ』を観てきました。

主演はシャーリーズ・セロン、そして監督は『クジラ島の少女』を創ったニキ・カーロ。

1989年、アメリカ・ミネソタ北部での実話に基づくもの。

暴力夫から逃れて二人の子どもを連れて故郷に戻ってきたジョージー(シャーリーズ・セロン)。しかし、子ども達を自分の力で育てようとするシングルマザーに、街の人たちは冷ややかな目を向ける。母親までもが、少し位の夫の暴力は我慢するべきだと諭し、炭鉱で働こうとすると、同じ職場で働く父親は大反対。

父の反対を押し切り、子どもたちとの生活を守るために炭鉱で働き始めたジョージー。しかし、男ばかりの炭鉱では、わずかな女性たちが執拗なまでのセクシュアル・ハラスメントの被害を受けていた。しかも女性たちは、生活のために仕事を辞めるわけにもいかず、抗議をすることもできず、嫌がらせに耐えている日々が続く。ジョージーは、上司や社長に窮状を訴えるが、全くとりあってもらえず、訴訟を起こす。人として当たり前の尊厳を取り戻すための訴訟だ。このひどい状況を変えるために立ち上がった彼女の勇気と行動力に、周囲の人たちも徐々に変わっていく・・・

本当にお勧めの映画です。ただ、上映期間が

2週間と短かったのが、とっても残念!

原案となったのは、『集団訴訟-セクハラと闘った女たち-』(クララ・ビンガム&ロラー・リーディー・ガンスラー著)

チャレンジ-私と仕事

アトリエエムを設立してから「どうして会社を作ったのですか」「これからどんな会社にしたいですか」「いつから会社をつくろうと思っていたのですか」などと良く聞かれるようになりました。そんな頃、東京にある「女性と仕事の未来館」で作文を募集しているのを知りました。丁度昨年の秋頃です。毎年作文募集をしていて、今回が4回目。なんと今年のテーマは「チャレンジ-私と仕事」。今から会社を設立しようとしている私になんてピッタリ!のテーマでしょうと感激しつつ、なぜ会社をつくろうと思ったのか、など自分の思いを文章にして応募しました。

先日、女性と仕事の未来館から佳作に入選したとの連絡を受けました。やっぱりちょっとうれしいですね。後日賞品を送ってきてくださるそうで、「何かな~」とそれもちょっぴり楽しみ。女性と仕事の未来館のホームページで作文が紹介されていますので、ぜひご覧ください。

*****************************

「チャレンジ-私と仕事」三木啓子

 「配属は中南米営業部」。上司の言葉を聞いて、私は嬉しさのあまり思わず小躍りした。大学で学んだスペイン語をいかして、中南米地域の貿易の仕事をしたいと強く願っていたからだ。1982年4月。こうして私は希望に燃えて、

大阪市

内の貿易会社で仕事への第一歩を踏み出した。その時、奇妙な現象に気がついた。1週間の接遇研修を終えて配属されたのは女性社員のみ。一緒に入社した大勢の男性社員の姿が見えない。何と彼らにはさらに半年間の研修が待っていた。工場での商品の製造や販売店での営業など、これからの実務に備えてさらに質の高い研修を受けるのだった。しかも彼らは年齢や学歴に関わらず「事務職」であり、女性社員は全員「補助事務職」なのだ。女性の業務はあくまでも男性の補助でしかなく、しかも賃金や昇格にも大きな較差があった。また当時女性は数年で結婚退職をするのが慣習でもあった。続きを読む