朝の情報番組 「とくダネ!」 でセクハラについての三木のコメントが放送

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セクシュアルハラスメントの報道が後を絶ちません。
仕事の打ち合せや反省会と称してしつこく誘い、相手から断られると無視をするというのは、対価型セクシュアルハラスメントであり、パワー・ハラスメントでもあると言えます。
日本テレビ「NEWS ZERO」の山岸舞彩キャスターに対するセクハラについて、フジテレビの朝の情報番組「とくダネ!」でコメントを求められ、6月3日(月)の夕方に電話取材を受けました。
三木のコメントの一部が6月4日(火)の番組でテロップと共に放送されました。
放送されたコメントは
「そもそも職場以外のところで2人の反省会の必要性があるのかどうかです。
今までは、そういうことは大丈夫だと思っている人たちは他にもたくさんいるのかもしれませんけれども、もうそんな時代ではないということが言えると思います」
というごくごく短い言葉ではありましたが、企業にとって今後のセクハラ防止の取り組みに非常に重要なポイントだと思います。

最近増えてきているのが「職場での力関係を背景にした職場外でのセクハラ」です。仕事に関係のないメールを繰り返し送る、食事にしつこく誘う、コミュニケーションと称して体にさわるなどです。職場外でのセクハラに対しても、企業の「使用者責任」が問われる判決が多く出ています。
6月は男女雇用機会均等月間です。
「これ位は大丈夫だろう」と思っている言動を見直すためにも、各職場で研修をしっかりと行うことが必要だと思います。

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パワハラの労働相談 51,670件で過去最多相談員・人事担当者の対応が重要

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「パワハラの相談が5万件を超えて過去最多」と5月31日に厚生労働省から発表されました。
2012年度に全国の労働局の「個別労働紛争解決制度」に寄せられた「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は51,670件となりました。
2011年度が45,939件、2010年度が39,405件でしたから、毎年10%以上増え続けています。

労働局に寄せられた相談は、職場内では解決できずにやむなく被害者が相談に訪れたものがほとんどです。他の相談機関を利用したり、誰にも相談できない人もいるのが現状ですから、この数字は氷山の一角でしかありません。
では、労働局に相談して解決につながったのか、ということが大切なポイントだと思います。
労働局には「相談」以外に「助言・指導」と「あっせん」制度があります。
パワハラは助言・指導が1,735件、あっせんは1,297件で、どちらも前年比15%以上の増加となっていますが、この制度は強制力がないためか、それほど広くは活用されていないのではないかと思います。

労働局は相談を受けるだけではなく、解決に向けて企業に対してもっと具体的な指導を行ってほしいと思いますし、そのことをもっとアピールしていくことも大事ではないかと思います。
5月30日には、労働局雇用均等室がセクシュアルハラスメント等に関する2012年度の相談状況を発表しました。
全体の相談件数が前年度よりも減少していますが、セクシュアルハラスメントに関しては、相変わらず1万件近い相談が寄せられました。

パワハラやセクハラなどのハラスメントは、被害者が外部の機関に相談に行く前に職場内で解決できるのが一番良いのは言うまでもありません。そして、何よりもハラスメントが起こらない職場環境を整備することが、企業にとってはとても重要です。
6月13日(木)の「三木啓子のハラスメント相談員セミナー vol.7」では、国の動向に加えて適切な対応と防止対策について具体的にお伝えします。ぜひご参加ください。
「ハラスメント相談員セミナーvol.7」の詳細はこちら>>>
労働局に寄せられた相談状況はこちら>>>
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多様な性のあり方を認め合って

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和歌山県の真道ゴー選手が、WBC女子フライ級タイトルマッチに挑戦、見事チャンピオンベルトを手にしました。真道選手は幼い頃から女性という自分の性に違和感を覚え、大学時代には先輩の女性と交際、周囲から無視をされるなどのいじめを受けて死を考えたことも。性同一性障害の診断を受けたのが2年前、今はありのままの自分を受け入れたいと言います。
参議院議員に繰り上げ当選となった尾辻かな子さんは、大学時代に女性に恋をして、レズビアンであることを自覚したものの誰にも打ち明けることができませんでした。その後、2005年の大阪府議時代に同性愛者であることをカミングアウト(公表)、「多様性を認め合う社会を作りたい」と2007年の参院選に立候補しました。
日本では同性同士の婚姻は法律ではまだ認められてはいませんが、フランスでは4月に同性婚を認める法律が成立、世界では14番目の合法化となりました。
人の価値観や考え方はそれぞれ違うものです。自分の性をどのように認めるか、また誰を愛するのか(異性か同性か)もそれぞれ違って当たり前。にもかかわらずテレビのバラエティ番組等では、同性愛の人をからかったり、揶揄したりということが多く見うけられます。そのような報道が偏見や差別を助長し、学校や職場でのいじめやセクシュアルハラスメントにつながっている部分もあるのではないでしょうか。
多様な価値観をお互いに認め合える社会にしていきたいと強く思います。

セクハラの報道とセカンドハラスメント

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企業や教育機関、行政機関でのセクシュアルハラスメントの報道が後を絶ちません。
宴会で男性が女性の体をさわったことで停職6か月の懲戒処分を受けた、という記事では「今回の件は、手を握ったり肩に手を回すなど、程度の軽いものであったが・・・」という記述がありました。
手をさわったり肩を組んだり、という行為は「程度が軽い」という意識がまだまだ根強くあるようです。
このような報道や社会の風潮が、被害者をさらに苦しめるセカンドハラスメント(二次被害)を生み出していきます。たとえば被害者に対して「この位でセクハラと思うのは神経質」「イヤだと思ったら、その時にはっきりと言えばよい」などの言葉です。

職場や学校で不必要に体をさわるのは、胸でも肩でも腕でも重大なセクハラになるのです。
メディアに携わる人たちは、どのような言動がセクハラになるのかということはもちろんのこと、被害者の心理などについても正しく理解をしてほしいと思います。
「三木啓子のハラスメント相談員セミナー」にぜひご参加ください。
セミナーの詳細はこちら>>>

鵜久森 典妙 写真展「シルバー・ソング フェイス」

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「20歳の顔は自然の贈り物。50歳の顔はあなたの功績」
これはココ・シャネルの有名な言葉ですが、さてさて60歳の顔はいかに。

映画プロデューサー・鵜久森 典妙(うくもり のりたえ)さんの写真展が、神戸・平野の「いちばぎゃらりぃ侑香」で開かれています。
60代、70代、80代の迫力のある顔、顔、顔。大仏さんにも負けてはいないようですね。
皆さんのそれぞれの人生がにじみ出ているような気がします。

ゴールデンウィークには、シルバーウィークならぬ「シルバー・ソング フェイス」を楽しまれてはいかがでしょうか。
ぜひお出かけください。

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鵜久森 典妙 写真展 「シルバー・ソング フェイス」
● とき:4月27日(土)~5月12日(日)11時~18時(5月1日(水)は休み)
● ところ:いちばぎゃらりぃ侑香(TEL:078-361-5055)
  神戸市兵庫区神田町38-22
● アクセス:JR三ノ宮駅より神戸市バス7系統乗車、
  JR神戸駅より7、9、110系統乗車、
  「平野市場前」バス停下車(バス道東へ100m)

「育児休業を3年に」 聞こえは良いですが女性の労働権が置き去りになっていませんか

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育児介護休業法が施行されたのは、20年前の1992年でした。
厚生労働省の調査によると、今や働く女性の9割が育休を取得しているとのこと。

しかし、本当に女性と子どもにとって良い制度となっているのかは疑問です。
妊娠をした女性の6割以上がやむなく退職をしているのが現状で、そのほとんどは派遣やパートなどの非正規雇用です。
育休を取得して働き続けている女性からも、社内で様々な嫌がらせやハラスメントを受けている、という声がよく聞かれます。

最近は「女性の能力活用」ということもよく言われます。
それも大切なことではありますが、女性にとって一番大事な「働く権利」が置き去りになってはいないかと危惧しています。

そんな中「育児休業を3年に」との報道。
その言葉の裏には「子どもが3歳までは母親が育てるべき」という思惑が見え隠れしているような気がします。

女性労働者の多くは非正規雇用で賃金も低く、管理職に占める割合も10%以下です。
男性との格差は依然として大きく、男女平等度を表したジェンダー・ギャップ指数は世界で101位と嘆かわしい状況。

まずは格差を解消するための具体的な施策を打ち出し、女性が働き続けられる環境をしっかりと整えていくことが重要ではないでしょうか。

あとを絶たないセクハラ 相談員の対応が重要

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連日のように企業や行政機関、教育機関でのセクシュアルハラスメントが報道されています。
先日京都で開催された講座「セクハラ労災を知っていますか?」には遠方からも多くの女性たちが参加、熱心に講師の話に耳を傾けていました。

セクハラを受けたと会社に相談をしても、適切に対応されず状況が改善されなかった場合には、被害者の心理的負荷が「強」であると判断されるようになっています。
企業の相談員や人事担当者には、今まで以上に迅速で丁寧な対応が求められるようになってきました。
セクシュアルハラスメントを受けて、PTSDで苦しんだり退職を余儀なくされる人も少なくありません。
うつ病などの精神障害を発病したことが労働災害だと認定されるケースも少しずつ増えてきています。

「三木啓子のハラスメント相談員セミナー」では、被害者の心理や具体的な相談の受け方、防止対策などについて最新の判例も交えてお伝えします。
大阪会場は6月13日(木)、東京会場は9月6日(金)です。
お申込み受付中です。
詳細はこちらをご覧ください>>>

アトリエエムの新しい総合パンフレットもできました。
あわせてご覧ください>>>

半年で1,000冊達成!「ハラスメント 相談員の心得」ご活用ください。

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昨年の秋に完成した「ハラスメント 相談員の心得」は、早くも1,000人の方にお届けすることができました。
担当者がまず1冊購入、「とてもわかりやすい」と5冊、10冊と追加で注文される企業が多いようです。
中には、全国の支店の人事・総務担当者に配布したい、ということで100冊購入された企業もありました。

少し予想外だったのが、大学の教員・相談員、中学校・高校の教員、自治体の教育委員会など教育機関からのご注文がとても多いということです。
最近、特に問題になっているいじめや体罰などの相談に、どのように対応すればよいのかと悩んでいる先生方にとっても、とても良いハンドブックとなっているようです。
人事異動などで、4月から人事や相談担当になられる方も多いかと思います。
お手元に置いて、ぜひご活用ください。

アトリエエムも新年度に向けて、新しいパンフレットを製作中です。
間もなくお届けいたします。ご期待ください。

「ハラスメント 相談員の心得」 詳細やメディアの紹介記事はこちら>>>

神戸に「性暴力のワンストップ支援センター」開設

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「性暴力被害者支援センター・神戸」が4月に設立されます。
3月2日(土)に開催された設立準備会主催のシンポジウム。
代表の田口奈緒さん(産婦人科医)の講演と支援者・サバイバーの人たちによるパネルディスカッションでは、とても貴重な話を聴くことができました。
一番大切なことは、被害者の生命を守ること、絶対に被害者を死なせないこと、そして、衣食住、労働、福祉など生活全般にわたるサポートも必要だと強調していました。
さらには、支援センターに「倫理委員会」などの内規を設けること、支援センターへの要望などを受け付ける「第三者機関による相談窓口」も設置するべきとの提案もされました。

被害者がセカンドハラスメント(二次被害)を受けることがあってはならないのは当然ですが、万一対応に不備があった時には、相談ができる体制を整えるのは非常に大切なことだと思います。
シンポジウムでは、設立準備会のスタッフの人たちの熱意を強く感じました。
現在、ワンストップセンターが設置されているのは、大阪府、東京都、愛知県、佐賀県などごくわずかです。
このようなセンターが各地に開設されることがとても重要であり、それが誰もが安心して暮らせる社会につながっていくのだと思います
そのためには、国も民間に任せているだけではなく、被害者の救済をもっと真剣に考えるべきでしょう。

*「性暴力被害者支援センター・神戸」は、神戸市西区の「なでしこレディースホスピタル」内に開設されます。

ハラスメントは心理的・社会的リスク

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企業や労働組合、専門家の人たち150人以上が参加、とても熱気にあふれた労働政策フォーラムでした。
2月28日(木)の午後、東京で開催された「欧州諸国における職場のいじめ・嫌がらせの現状と取り組み」では、イギリス、フランス、スウェーデン、ドイツの大学教員や弁護士がそれぞれ取り組み状況を報告、大変興味深いものでした。(主催:JILPT(労働政策研究・研修機構))
企業や労働組合は、職場のいじめ・ハラスメントを「心理的・社会的リスク」の一つととらえて、組織としての具体的な取り組みを早急に進めることが必要だと改めて痛感しました。
6月には、フォーラムの報告書も作成されるそうです。

3月1日にアトリエエムが発行した「AMニュース vol.10」は、企業や大学のハラスメント防止研修について詳しくお伝えしています。
ぜひ取り組みの参考にしてください。