誇らしげにポーズをとっている新郎。
その横で、まるで能面のように全く表情のない新婦。
先日、ほんの少しの空き時間に大阪ニコンサロンを訪れた私は、その写真に映った女性たちの姿に大きな衝撃を受けました。
林典子写真展 「キルギスの誘拐結婚」です。(カラー、30点)
中央アジアのキルギスでは、4割の女性が男性に誘拐されて、結婚させられているという。
しかも、一度男性の家に入った女性は、純潔ではないとみなされて、実家に戻ることもできず結婚を受け入れざるを得ず、その後自殺する女性も多いと。
多くの女性の人権が踏みにじられているこの慣習に大きな怒りを覚えます。
同時に、何か月にもわたって、村々を回って女性たちと話をして撮影をして、現状を知らせてくれた林典子さんに、心から敬意を表します。
社会の矛盾や理不尽さを知ったからといって、すぐに行動に移せないかもしれません。
でもまずは、事実を知ることが大事だと思うし、知らなければ変えることもできないと思うのです。
その日、私たちから「知る権利」を奪ってしまう「特定秘密保護法案」が衆議院で強行採決されました。
色々な職場で、ハラスメントセミナー(研修)をしています
先週も色々な職場で、ハラスメント防止セミナー(研修)をしました。
◆11月16日(土)
大阪府内の訪問看護ステーションの管理者の方たちに、90分間のパワハラ、セクハラセミナー。
看護師さん達は、訪問先の利用者(患者)さんからセクハラを受けることもあります。
その時の対応や、管理者の役割、組織としての体制などについてロールプレイを交えて、お話しました。
◆11月18日(月)、19日(火)
大阪府内の企業で、全社員に対して1回に50人ずつ、1日に2回、合計4回のセクハラセミナー。
毎回セミナーの冒頭には、担当者から事前に実施した職場内のセクハラに関するアンケート(実態調査)の結果が報告されました。
さらに人事担当役員から「当社からセクハラを根絶するために研修を実施します」との挨拶があり、その後三木から事例・裁判例の解説なども含めて60分間のセミナーを行いました。
◆11月20日(水)
大阪府内の市役所の管理職50人に、120分間のハラスメントセミナー。
この市役所では、3年前に「パワハラ防止のガイドライン」を制定、その後、毎年継続して研修を行っています。
◆11月22日(金)
名古屋市の企業で、各支店のハラスメント相談員15人に、10時~17時のセミナー。
相談の受け方、行為者へのヒアリングなどロールプレイを交えて、かつ、随時、様々な質問にもお答えしながら行いました。
◆今週は、茨城県鹿嶋市の工場の人権担当者に、午前、午後2回、各120分間のセミナーを行う予定です。
みんなが安心して働ける職場環境になるために、これからもハラスメントセミナーをしっかりとしていきたい、と改めて思った「勤労感謝の日」でした。
ハラスメントセミナー(研修)のお問い合わせはこちら>>>
11月は「女性に対する暴力をなくす月間」です
セクハラのパンフレット「事業主の皆さん セクシュアルハラスメント対策はあなたの義務です!!」が厚生労働省から2013年8月に発行されました。
先日パンフレットをダウンロードしようと厚生労働省のHPを見ると、なんと1年前の古いパンフレットのまま!!
すぐに厚生労働省の雇用均等政策課に電話をしましたが、それからさらに待つこと数日、ようやくアップされました。
もし問い合わせをしなかったら、ずっと古いままだったのでしょうか。
11月12日~25日は、セクハラ、DV、ストーカー等の「女性に対する暴力をなくす運動」期間です。
「セクハラ」という言葉が流行語大賞になったのは、1989年。
四半世紀たった現在でも働く女性の4人に1人が職場でセクハラを受けています。
昨年度労働局に寄せられたセクハラの相談は、約1万件。
一向になくならないセクハラに対して、厚生労働省も事業主ももっと真剣に取り組みをすすめなければならないと思います。
セクハラ防止セミナーはこちら>>>
厚生労働省のセクハラパンフレットはこちら>>>
「職場のハラスメント 相談対応術」わかりやすくブックレットで誕生!
お待たせしました!
「職場のハラスメント 相談対応術」が完成しました!
ハラスメント防止の取り組みにおいて、相談員はとても重要な役割を担っています。
多様な相談に対応するためには、幅広い知識とスキルが必要ですが、それは一朝一夕に身につくものではありません。
アトリエエムでは、今まで年に2回「相談員セミナー」を継続的に実施してきましたが、参加できなかった人たちからのご要望におこたえするためにも、このたび新しくセミナーブックレットを発行しました。
相談員が適切に対応できるための心構えや、相談者の心理を理解することの必要性、相談員自身のストレスや悩みなどについてわかりやすく書いています。
企業や行政・教育機関、労働組合、NPOなどで相談対応をされている人にとってお役に立つブックレットです。
相談体制の充実のためにもぜひご活用ください!
====
「職場のハラスメント 相談対応術」
著者:三木 啓子(アトリエエム代表、産業カウンセラー)
製作・発行:アトリエエム株式会社
価格: 600円(税・送料別)
A5判/64頁/2013年11月発行
====
詳細はこちら>>>
男女平等度 日本は毎年低下、105位に!セクハラ防止には、女性の管理職登用が重要
女性が少ない!
私は、全国の企業や行政機関等でハラスメント防止セミナー(研修)をしていますが、会場に入ってまず感じるのが、女性管理職の少なさです。
従業員全体では半数近くが女性であるにも関わらず、課長級研修では女性はほんの数人、全くいない企業も珍しくありません。
1986年の男女雇用機会均等法から27年、女性たちは管理職になれるキャリアを十分積んできています。
企業は、もっと積極的に女性の管理職登用を進めていくことが必要でしょう。
女性の管理職を増やすことが、セクシュアルハラスメントの防止にもつながります。
それは、性別によって差別をしたり排除するのではなく、誰もがお互いに「人」として、相手を尊重する組織になっていくからです。
性別による賃金差別や昇格差別などがあってはならないことは言うまでもありません
世界経済フォーラムが10月25日に発表した男女平等度で、日本は136か国中105位。
2010年は94位、2011年は98位、2012年は101位で毎年低下しています。
何という恥ずかしい、情けない数字でしょうか。
この順位を企業のトップや政治家たちは、もっと重く受け止めなければならないと思います。
セクハラ防止セミナーの詳細はこちら>>>>
世界経済フォーラムの報告書「The Global Gender Gap Report 2013」はこちら>>>
広く深く学びの2日間ハラスメント相談員育成セミナー 2月に開催決定!
「職場のパワーハラスメント 対策ハンドブック」が9月末に厚生労働省から発行されました。
パワハラの定義に加えて事業所の対策事例集も掲載されていますので、参考にしてぜひ取り組みを進めていただきたいと思います。
また同じ日に、労働政策審議会雇用均等分科会からも報告が出されました。
職場のセクハラは、性別役割分担意識が原因や背景にあること、同性に対するものも含まれること、などを指針に明記するようにというものです。
ハラスメント相談員やCSR担当者には、今後ますます多様な対応が求められるようになってきました。
2月の「ハラスメント相談員育成セミナー vol.2」では講義、ロールプレイ、ケーススタディ、判例解説などを通して、ハラスメントの対応について相談員のスキルアップをめざします。
相談対応から防止対策まで広く深く学べるセミナーです。
ぜひご参加ください。
====
「三木啓子のハラスメント相談員育成セミナー vol.2」
●日時:2014年2月6日(木)、7日(金) 11:00~17:00
●会場 : 大阪産業創造館 6階 会議室D 大阪市中央区本町1-4-5
●講師 : 三木 啓子 (アトリエエム株式会社代表 産業カウンセラー)
●参加対象 : ハラスメント相談員、CSR担当者、人事・総務担当者、人権担当者等
●参加費 : 30,000円(資料代、税込)*1日のみの参加は15,000円
●定員 : 20人(先着順)
●主催 : アトリエエム株式会社
<プログラム>
■1日目 被害者からの相談対応とメンタルヘルスについて
■2日目 行為者への対応、ケーススタディ、事例・判例、防止対策について
*ゲストスピーカーによる特別講義 (60分間/予定)
「フランスの現状と法制度~企業等の取り組みを中心に」
====
「ハラスメント相談員育成セミナー」の詳細ははこちら>>>
「職場のパワーハラスメント 対策ハンドブック」はこちら>>>
労働政策審議会雇用均等分科会の報告はこちら>>>
「ブラック企業」対策国は継続的な取り組みを
ブラック企業とは、長時間労働や残業代の未払い、パワー・ハラスメントなど、劣悪な労働を強い、労働者を使い捨てにする企業のことです。大量に社員を採用し、厳しいノルマを課し達成できないと容赦なく解雇をする。どれだけの若い人たちが心身を壊して職場を去っていったことでしょうか。
しかも決して中小企業だけの話ではありません。長年働いてきた中高年の社員をリストラするための「追い出し部屋」がある大企業も少なくありません。
労働組合やNPOが被害者の救済活動をしていますが、ブラック企業被害対策弁護団も発足されました。
厚生労働省もようやく対策に乗り出して、今月、極端に離職率が高いなどブラック企業の疑いがある全国の4千社に対して監督指導を集中的に行っています。労働者からの電話相談も受けつけていますが、予想以上の相談が寄せられています。
被害者の話を聴くだけに終わらせず、その企業に対して勧告や指導など有効な手立てをぜひ行って欲しいと思います。
国は「人権教育・啓発に関する基本計画」で13の人権課題を取り上げて、啓発や様々な取り組みを行っていますが、この中には「働く人」は入っていません。
14番目の課題として、「労働者」を位置づけ、ハラスメントなどの問題にも継続的に取り組むことが今こそ必要ではないでしょうか。
*「13の人権課題」
女性、子ども、高齢者、障がいのある人、同和問題、アイヌの人々、外国人、犯罪被害者等、HIV・ハンセン病患者等、刑を終えて出所した人、インターネットによる人権侵害、北朝鮮当局による拉致問題等、その他
東京での相談員セミナーに各地から参加「ぜひ継続的に開催してほしい」
東京で初めて開催した「三木啓子のハラスメント相談員セミナー vol.8」。
関東地方を始め、新潟、静岡、大阪など各地から担当者が参加、講義に真剣に聴き入り、ロールプレイにも熱心に取り組んでくださり、とても充実したセミナーとなりました。
ハンドブック「ハラスメント相談員の心得」をサブテキストとして、相談の受け方、行為者へのヒアリング、防止体制などについてお伝えしました。
皆さんの感想から一部ご紹介します。
●ハラスメントの相談者、行為者双方に対する対応については非常に難しい問題であるとは認識しながらも、どう実際に対応したら良いのか見えておりませんでした。本セミナーではその考え方について糸口が見えたように思います。
●相談者、相談員、行為者のロールプレイが体験できたのは貴重な経験でした。また講義も的を絞った内容で、半日でしたが、濃い時間だったと思います。
●とてもしっかりした資料をご用意いただきありがとうございました。持ち帰ってじっくり読みます。
●東京でのセミナーの機会をもっと作っていただければと思います。
●「ハラスメント相談員育成セミナー」にもぜひ参加したいと思います。
ハラスメントの防止には職場で相談員をしっかりと「育成」していくことも、とても重要です。
2014年2月6日(木)、7日(金)には、2日間にわたってさらにより深く学んでいただく「ハラスメント相談員育成セミナー vol.2」を大阪で開催します。
詳細は追ってお知らせいたします。ぜひご参加ください。
68回目の終戦記念日
暑い暑い8月に3本の映画を観ました。
「はだしのゲン」(アニメ)/原作・脚本・製作:中沢啓治/1983年 日本
「夏の祈り」/監督・撮影:坂口 香津美/2012年 日本
「最愛の大地」/監督・脚本・プロデューサー:アンジェリーナ・ジョリー/2011年 アメリカ
とても残酷なシーンがあるから、「はだしのゲン」を子ども達には観せたくない、という大人がいます。
確かに、胸が苦しくなって、とても辛い気持ちになるのはわかります。
でも、そこに描かれていることを受け止め、目をそらさずに観ることも大切です。
若い人や子どもたちにもしっかりと事実を伝えていかなければならないと思うのです。
戦争、紛争、内戦・・言葉は違っても、どれも人を殺し、強姦し、土地や物を略奪すること。自分と自分の家族を守るという「正義」や「愛国心」という言葉のもとに。
暴力や力で相手をいくらねじ伏せても、何の解決にもならず、そこからは何も生まれてはきません。
ただ哀しみと憎しみだけが増幅していき、報復という連鎖を生み出すだけなのです。
終わることのない残酷で、悲惨な争いだけが愚かにも延々と続いていくだけです。
「過ちは繰り返しません」と誓ったにも関わらず、「不戦の誓い」を述べずに、戦争への道を歩み出そうとしていることに大きな危惧と怒りを感じているのは私だけではありません。
私たち一人ひとりがまずは正しく過去を認識して伝えること、そして将来のために今、何をしなければならないのかをしっかりと考えなければならないと思います。
「叱られるとやる気を失う」部下は57%モチベーションをアップさせる指導法は
「パワー・ハラスメントセミナー」で、よく寄せられる質問があります。「部下をどのように叱ったらパワハラにならないですか」「どこまでが指導で、どこからがパワハラになりますか」と。
部下の指導においては時には「叱る」ことも必要かもしれません。でも人は、叱られてばかりいると自己肯定感がどんどん下がっていき、そしてモチベーションも下がっていきます。当然の事ながらそれでは、良い仕事もできないでしょう。
私は「部下をもっと褒めてみませんか」と話して「心理的ストローク」などについてもお伝えしています。
先日、日本生産性本部から発表された「コミュニケーション」に関する調査結果はなかなか興味深いものでした。
「叱ることが部下の育成につながる」と思う課長は、89%
一方、57%の部下は「叱られるとやる気を失う」と感じています。
褒めることについても、上司の80%は「褒めている」と答えているのに対して、部下の半数は「褒められてはいない」と感じています。
自分では褒めているつもりでも、部下には真意がうまく伝わっていない現状が見えてきます。
アトリエエムのセミナーでは、部下の育成・指導についても具体的にお伝えしています。
お気軽にお問い合わせください。団体研修のページはこちら>>>
日本生産性本部の「職場のコミュニケーションに関する意識調査」はこちら>>>